自然を再生させながら経済が成り立つ「自然産業」を興し、"ネイチャープレナー"が生まれ続けるエコシステムをつくる戦略・ロードマップを描くための、プレリーサーチプロジェクトです。
3ヶ月間で、以下の4つの問いを足がかりに調査し、戦略とロードマップの素案をつくります。
1. どの流域から始めるべきか?【どこで】
森里海の連環を捉え、横断的に自然を再生させる事業をつくりたい。モデル地域として選ぶべき条件は何か。どこで挑戦者を生み、どこから波及させていくのか。
★現状の見立て:キーマンとなる仕掛人の存在、その地特有の自然資本ポテンシャル、自治体・コミュニティのレディネスといった点が鍵になりそう
2. どの産業から手をつけ、どう連動させるか?【何を】
農業、林業、水産業、観光……リソースが限られる中で、どの産業がレバレッジポイントになるのか。どの産業に挑戦者が生まれると、変化の連鎖が起きるのか。
★現状の見立て:再生型農業から始めるのが良い?実践サイクルが短く市場との距離も近いため、比較的早期に成果を示しつつ他産業へ波及させる起点になりうるか。
3. どの企業に働きかければ、地域が動くか?【誰と】
大企業は主にTNFDをトリガーに動き始めているが、地域に根ざす中小企業を動機づける仕組みは不十分。どういった企業群が影響力を持ち、彼らが変われば新たな担い手の苗床になるのか。
★現状の見立て:建設・産廃・老舗地場企業などが大きな影響力を持っている?
4.成果をどう測って示すか?【どうなるか】
自然と経済の共駆動、挑戦者が生まれ続けるエコシステム——これらをどう可視化し、測定するのか。自然資本の回復をどう捉えるか。経済的インパクト(経済循環、雇用創出)をどう測るか。ネイチャープレナーの創出と育成をどう追うか。そして、エコシステムが自律的に駆動し始めたことを、どんな指標で判断するのか。
★現状の見立て:自然の状態を測る指標をどう設定すべきかを、パターンに応じた仮説としてもっておくことが大事そう
<なにをするのか>
- リサーチ: デスクトップリサーチ(AI活用が望ましい)と実践者・専門家への現場ヒアリングをかけ合わせて実施
- 分析・議論: 週次or隔週程度のオンラインMTGで仮説を磨く
- アウトプット作成: 戦略シナリオ、ロードマップを落とし込んだ「一枚絵の設計図ドラフト」(用途はホームページ、営業資料など)
初期は全体でMTGを行い方針を定めた後、各自の専門性や関心に応じてチームを作って分担しながら進める想定でいます。
※長期的なプロジェクトなので、3ヶ月期間が終わっても継続的に関わってくださる方がいらっしゃったら大歓迎です!
今年7月設立したばかりのネイチャープレナー・ジャパン。Beyondersなみなさまの力を借りて、グッと加速させていきたいと思っています。
気候変動、生物多様性危機という2つの危機に対し、国際的な枠組みでは「カーボンニュートラル」に加え「ネイチャーポジティブ」の達成を目指すことも宣言されました。 日本でも「生物多様性国家戦略2023-2030」が閣議決定されています。 一方で、企業、地域、個人といった肝心の実践していくプレイヤー層まで含んだ統合戦略や支援は不十分で、実現に向けての課題は山積みです。
その上、気候変動や生物多様性損失による影響が顕在化しつつあり、社会課題化が進んでいる声が聞かれるようになってきました。
「海水温が急激に上昇し、磯焼けなどの影響をはじめとし、水産物が激減してしまった」
「森林の衰退に歯止めが効かず、災害の甚大化、獣害の深刻化が進んでいる」
「台風の大型化や大雨の増加により、洪水や川の氾濫が増え、農作物が収穫できなくなった」
「放棄された人工林では、他の植物が生育できないほどの薄暗い森になり、土壌浸食も進んでいるようだ」
「環境負荷の小さいプロダクトやサーキュラーフレンドリーな商品によるマーケットが小さすぎる」
こういった状況に対し、世界や国が動くのを待つのではなく、自分がやるんだと飛び込む"ネイチャープレナー"たちが思いっきりチャレンジできるエコシステムを創り、この地球を胸を張って次世代に渡していきたいと思っています。
流域は無数に、産業は多岐に、関与し得る企業も無数に存在します。
切り口が豊富であるがゆえに、「どこから着手し、どう展開していくか」といったシナリオが描けていません。
あわせて、企業や自治体、研究機関など“仲間づくり”を進めるには、誰を・いつ・どの順で巻き込み、どの成果を可視化しながら共感を広げていくのかを示すロードマップも不可欠です。
2026年度からは、助成事業をスタート予定であり、これらを束ねる戦略が"今"必要です。
本プロジェクトでは、優先順位と巻き込みの道筋を明確化する、「一枚の設計図ドラフト」に収斂させることにご一緒いただきたいと思っています。
この3ヶ月が、すべての起点になります。
「一枚の設計図ドラフト」をつくる。(完成ではなくスタート地点をつくる)
4つの問いに対する仮説を立て、優先流域・産業・企業の特徴を絞り込み、3-5年のシナリオとロードマップの骨子を一枚の設計図として収斂させます。これを、2026年度の助成設計やステークホルダーとの対話に使える資料として整えます。
また、プロジェクト後も継続的にリサーチを深められるよう、集めたデータや分析を使える形で残します。
究極的なゴールは、1000年先まで豊かな地球を継承していくことに自信を持てている社会です。
道のりは険しいですが、10年で突破口を見出したいと思っています。
その鍵を握るのが、今回のプロジェクトです。
うまくいけば、「どこで(流域)、なにを(産業)、だれと(中核企業)」といったエコシステム形成の介入ポイントがクリアになり、担い手がどんどん育まれ、リソースが加速度的に集積する流れを生むことができると考えています。
なんとかするぞ!と飛び込む"ネイチャープレナー"のチャレンジを応援しようとリソースが集い、そこからロールモデルがうまれ、また次の層が手を挙げやすくなり、雪だるま式に事例が生まれ、経済圏も成熟し、自然が再生されるほどに僕らの暮らしも豊かになっていくといったような社会に変わっていくのだと思います。
1年目にあたる今年は、10年かけて登っていく山の道しるべになっていくかと思います。
ご一緒いただけることを楽しみにしています!
はじめまして、一般財団法人ネイチャープレナー・ジャパンです。
2025年7月に設立したばかりの、新しい財団です。
https://naturepreneur.jp/
私たちは「ネイチャープレナーを、経済の主役にする」をミッションに、NPO法人ETIC.、東京大学 先端科学技術研究センター/森章研究室、一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン、株式会社エーゼログループ、深尾昌峰氏(龍谷大学 副学長)の5者合同発起として、この取り組みをはじめました。
ネイチャープレナーとは、Nature(自然)とEnterepreneur(つくる人)を組み合わせた造語です。
自然と共に価値を生み出し、社会や経済を突き動かしていく人たちのこと。
彼ら彼女らの挑戦を触媒に、多様な応援資本が集積・還流する仕組みを全国規模でつくる。
“自然を守る”が事業になり、経済の原動力になる社会を目指します。
全国の企業・自治体・アカデミア・保全団体・市民のみなさんと、多様な応援資本が集積し循環する土壌をオールジャパンで育てていく団体です。
Beyondersなみなさまのご参加を、お待ちしています!
倉辻 悠平(一般財団法人ネイチャープレナー・ジャパン理事/NPO法人ETIC. プロジェクトリーダー)
立命館大学時代、国際協力や世界一周にいそしむ。2014年、リクルートを退職し、フィリピンのスラム地区に住む若者を支援するソーシャルベンチャーを創業。2018年、NPO法人ETIC.に参画し、様々な起業家支援プロジェクトを手掛ける。2022年よりネイチャー領域のイニシアティブ(現:PLANET KEEPERS)を立ち上げ、2024年にWWFジャパンに属しながらスタートしたBEEなど、様々な仕掛けを推進中。2025年、豊かな自然と経済が両駆動する社会を目指す一般財団法人ネイチャープレナー・ジャパンの創業に関わり、同理事に就任。
環境問題は、私たち人間の寿命とは違う定規で時間と資源をとらえ、活動していくことが求められます。だからこそ、次世代の人たちがその問題に取り組める環境やリソースをつないでいきたいという想いで、ETIC.はこの団体と仲間たちと一緒にたちあげました。
必要性を強く感じているからこそ、ドライブをかけてアクションしてきましたが、自分たちもまだその先のシナリオを描ききれていないまま、走り出したという状況です。その想いに揺らぎはありませんが、ここから先、更に多くの仲間や協力者を巻き込むには、ロジカルで定量的な説明や、解像度をあげたシナリオが必要不可欠です。ぜひ、それを描くことに知恵をかしてもらえたらと思います。
所在地: | 岡山県英田郡西粟倉村大字影石580-1 amoca |
---|---|
従業員数: | |
売上・予算規模: | |
事業内容: |
3つの活動を柱に、自然と経済が連動した社会を目指します。
|
報酬プラン |
A:プロボノ(無報酬)、6時間/週
|
---|---|
採用予定人数 | 4 |
こんな人に来てほしい! | |
個別説明会 |
|
オンライン面談候補日 |
|
キックオフMTG候補日 |
|