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地域/社会の奮闘プロセスを学びと再現性のある共通言語へ~社会OSのR&D部門『ソーシャルR&D』実装戦略プロジェクト

  • 東京都
and Beyond Company(事務局ETIC.)
  • 生煮え度
募集中 公開中

プロジェクト概要

社会課題解決や社会的価値創出の現場には、伝説的に語られる優良事例や、暗黙に語られる日々の失敗が多く積み重なっています。しかし、その多くは散在し、セクターや地域などの文脈の多様性から、横展開ができていない状況です。多様なイノベーションの「成果」だけでなく、現場の「挑戦や奮闘、試行錯誤」といったプロセスに目を向け、属人化した職人技を「ナレッジ」として積み重ねていくことが重要だと考えます。

こうした営みは、解決策を探索的に模索し続ける「イノベーションや社会OSのためのR&D(Research & Development)」として捉え直すことで、これまでのビジネスや科学技術の知見が活用できるはずです。その際、海外で先進的に取り組まれ、また期せずして新公益連盟からも提唱され始めた「ソーシャルR&D」というキーワードで紐解いていくのがベストだと考えています。

本プロジェクトでは、社会に広く問うための「オープン・ホワイトペーパー(提言書)」をチームで完成させます。単なる概念の整理ではなく、既存の理論や事例を解剖し、企業や財団など他セクターを巻き込むためのアクション仮説(招待状)を組み込んだ、社会を動かす発信資料を共に創り上げるメンバーを募集します。今後人を巻き込み、社会的なムーブメントとし、社会OSの改善や構築につなげていくための、「雪だるまの芯」を作り、それをどう転がしていくかを共に考えていただきたいです。
(個人的にソーシャルR&Dの概念や理論的背景、海外動向などを棚卸しした「日本におけるソーシャルR&Dの実装戦略」という私案・試案(たたき台)はすでにあり、一定のベースになるのではと思っています。)

「雪だるまの芯」を創るため、プロジェクトメンバーとは週1回程度のミーティングを実施しながら、以下の活動を想定しています(※メンバーの得意分野に合わせて柔軟に設計します)。
・仮説に基づく先行事例・国内事例のリサーチ: 網羅的な調査ではなく、「日本に実装するにはこのモデルが有効だ」という仮説から逆算し、英国(Nesta)やカナダなど海外の重要機関のソーシャルR&Dアプローチや、ETIC.の既存の支援事例などを深掘りリサーチします。
・ホワイトペーパーへの編集・戦略的落とし込み: リサーチとコンセプトを掛け合わせ、「日本での社会のR&D部門の実装をどう実現していくか」を多角的に立案します。概念の議論に終始せず、ステークホルダー(企業、行政、財団など)から共感と協働を得ていくためのアクションプラン(招待状)を設計し、ホワイトペーパー内に力強いメッセージとして落とし込みます。

【参考記事・URL】
https://www.nesta.org.uk/report/the-open-book-of-social-innovation/
英国チャリティNesta「THE OPEN BOOK OF SOCIAL INNOVATION」:社会イノベーションの実践手法をまとめた包括的なガイドブック。世界中で実際に使われているイノベーションの手法やツールを収集し、共有可能な「知識の基盤」を構築することを目的。6つのプロセス(段階)と527の具体的なメソッドとツールをカタログ化

https://socialrd.org/wp-content/uploads/2019/08/Social-RD-Practices-and-Patterns-v1.0.pdf
https://socialrd.org/wp-content/uploads/2020/09/Social-RD-Capacity-Building-Study-Mitacs-Final-Sept2020.pdf
カナダのソーシャルR&DコミュニティによるソーシャルR&Dの実践的なフレームワークと具体例をまとめたガイドや、エコシステム(支援環境)を強化・拡大するための調査報告と提言

https://note.com/bold_ibis8942
「ソーシャルR&D」をテーマに知見をnoteに気づきを整理し始めています。まだ数は少なく拙いですが、ご関心があればご覧ください。

※これらの文献をすべて読み込む必要はありません。Nestaの「6段階のプロセス」を共通言語のベースとしつつ、カナダの事例などから「日本に効くエッセンス」をチームでつまみ食いしながら抽出していくことなど、想定しています。
※本プロジェクトでは、ベンチャー投資型の米国モデルよりも、公共・中間支援セクターが実験プロセスを支える英国・カナダのモデルを主参照してはと仮説を持っています。それは、日本の「現場の奮闘」を孤独なままにせず、社会全体のシステム(R&D)として支える仕組みを構想したいからです。

根底にある想い・ビジョン

「ひとがいきいきとした社会を作りたい」:その想いで約20年前に文部科学省(科学技術系)に入省しました。しかし、国や地域の政策を上から現場に下ろしていくアプローチは、現状のシステムの維持・運用には向いていても、現場発の改善やイノベーションを生み出すことには限界がありました。現場には、様々な課題に向き合い、インパクトの種を生み出している実践者たちが数多くいます。しかし、行政の仕組みの中では、そうした最前線の知見が全く収集・集約できていなかったのが本音でした。現場と政策の有機的な連携が必要だと痛感し、チェンジエージェント(変革の触媒)たる中間支援組織であるETIC.に可能性を見出し、転職を決意しました。

科学技術にはある「R&D基盤」が、ソーシャル/ローカルにはない:経済発展や科学技術の領域では、目先の利益にとらわれない重厚なシステムが実装されています。基礎研究→応用研究→実装研究という流れに加え、人材育成、特許システム、ナレッジを共有する学会など、分厚い「R&D基盤」の積み重ねが官民連携で構築されています。翻って、地域活性化や貧困、孤立といった現代の「厄介な問題(Wicked Problems)」はどうでしょうか。これらは既存のメインシステム(行政や市場)が取りこぼした課題であり、最前線にいるNPOや地域の方々が、素晴らしい実践を行いながらも「孤独に奮闘している」という構造になっています。私の目から見れば、社会や地域に向き合う方々の日々の挑戦と試行錯誤は、まさに「社会に対する最先端のR&D」そのものです。(R&Dは決して一部の研究者だけのものではありません)。しかし現実には、日々の「火消し」に追われ、次なる「新しい消火器(解決策)」を発明するための余白もなければ、それを社会全体で共有・支援する基盤もありません。

個人の奮闘から、エコシステムへ:私は、この属人的な奮闘から「学びと再現性」を抽出し、誰もが取り組まない複雑な課題に対しても新たなイノベーションを生み出していくための、「社会システムとしてのR&D(研究開発)部門」を日本に実装したいと考えています。社会を良くしようと汗をかく実践者たちを孤立させず、企業や行政も巻き込み、知恵と資金が循環する巨大なエコシステムを形成すること。情熱と自己犠牲に頼る社会から、「実験と学習のプロセス」を内包した新しい社会OSへと書き換えることが、私の実現したいビジョンです。

今抱えている課題

企業やアカデミアには「R&D機能」があり、程度の差こそあれ、R&Dの本質でもある試行錯誤を許容する予算や時間、そして何より理解があります。しかし、最も複雑な課題を抱えるソーシャルセクターやCSV/CSRに取り組む企業などには、それがありません。資金の出資者は官民問わず目先の成果を求め、結果ばかりを求めることが大半です。現場には素晴らしい実践や本質の理解(暗黙知)があるにもかかわらず、それを他地域に横展開させるための「資金」「時間」「ナレッジ共有のインフラ」がなく、結果として一過性の取り組みで終わってしまっています。

この現状を変えるためには、現場の素晴らしい実践を「ソーシャルR&D」という新しい言語(概念)で体系化し、ばらばらに取り組んでいる実践者を1つにまとめつつエンカレッジしていくとともに、企業や財団、行政に対して「ここ(プロセス)に投資すべきだ」と提示する強力な「モデル(設計図)」が必要だと信じています。

私案・試案はありますが、これを現場の実践者や他セクターの人々が「自分たちに必要なのはこれだ!」と腹落ちして動けるような、伝わる形(ホワイトペーパー)に翻訳・編集する力が不足しています。戦略的に形にするには、多様なバックグラウンドを持つ皆さんの視点とスキルが必要です。だからこそ今、このプロジェクトを提案します。

3か月間のプロジェクトのゴール

定性的なゴール:
私案・試案をたたき台として、社会の多様なステークホルダーが共感し、共にアクションを起こしたくなるような「オープン・ホワイトペーパー(提言書)」へと昇華させること。単なる概念論ではなく、具体的なケーススタディを交え、ホワイトペーパーの最終章に「他セクター(企業・財団等)をどう巻き込むか」の仮説(招待状)を組み込んだ、力強い発信資料を描き切ることを目指します。

定量的な目標:
・試案の論理を補強するための、国内・海外の先進事例等のリサーチ
・既存事例(2〜3件程度)を「ソーシャルR&D」の視点でヒアリング・分析し直したケーススタディの作成(必要に応じて)
・上記を統合し、伝わる言葉とデザインに編集した「オープン・ホワイトペーパー」1冊の完成

プロジェクトの先にあるこの事業のゴール

定性的なゴール:
本プロジェクトで創り上げた「雪だるまの芯」を武器に、NPOなどの実践者、行政、企業、財団を巻き込んだ「ソーシャルR&D」に関するコミュニティを形成していくことです。現場の孤独な奮闘を「試行錯誤を許容するR&D」として正当に評価し、目先の成果ではなく「実験と学習のプロセス」に対して知識や人やリスクマネー(資金)が還流する、新しい社会のエコシステム(OS)を日本に定着させたいです。

定量的な目標:
プロジェクト終了後、完成したホワイトペーパーを用いて、すでにソーシャルR&Dに言及している団体(新公益連盟、Code for Japan等)や関心を持つ企業・財団との共有セッション・勉強会を実施する
1年以内に、上記のフィードバックを踏まえ、具体的な実践フィールド(例:企業財団との共同研究会、ETIC.内の既存事業への知見の組み込み、ソーシャルR&Dをテーマとしたコミュニティの立ち上げ等)のいずれかの形でパイロット的に動き出すことを目指す

プロジェクトオーナー(法人)自己紹介

NPO法人ETIC.は、「起業家精神あふれる人材の育成」を通じて、社会課題解決のエコシステムを構築してきた中間支援組織です。これまでに数多くの社会起業家を輩出し、近年では企業人材の越境学習や、地域と都市を繋ぐプロジェクトなどを多数推進しています。そのすべては、「すべての人は起業家である」という信念から端を発しており、挑戦と応援が溢れています。社会課題が複雑化し、単独の解決策では立ち行かなくなる中、個人的には、起業家支援自体に加えて、セクターを越えて知恵や人材、資金が循環する「次世代の社会システム(OS)の構築」によって起業家がより挑戦を続けられる支援につなげられるのではないかと考えています。

ETIC.が事務局を務めるand Beyond カンパニーは、「意志ある挑戦があふれる社会を創る」という使命に共感した企業・NPOを中心に、2017年から活動している共創コンソーシアムです。「挑戦を応援し合う文化を作りたい」という考えのもと、組織の垣根を越えて多くのプロジェクトが生まれています。

プロジェクトオーナー(個人)自己紹介

宮地 俊一(みやち しゅんいち):NPO法人ETIC. ソーシャルイノベーション事業部/and Beyond カンパニー事務局
東京工業大学大学院修士課程修了後、文部科学省に入省。科学技術イノベーション政策や教育行政、規制改革等に従事し、2024年より現職。現在はソーシャルイノベーション事業部およびand Beyond カンパニー事務局にて、産学官民の境界を越えた「社会システム構築のR&D」とそのための「共創サンドボックスの設計」を指向し、人の熱意や知恵を起点とした「越境・共創」プロジェクトの構想から社会実装までを担う。

文部科学省に入省し、これまで場面は違えど一貫して「ひとがいきいきする社会をつくる」ことを模索し続けてきました。約20年間、科学技術イノベーション政策やEBPM(証拠に基づく政策立案)などに携わってきましたが、「ソーシャルイノベーション」や「コレクティブインパクト」など現場の「芳醇なアクションとナレッジ」の積み重ねを知り衝撃を受けました。その結果、マクロな取組みではなく、ひとやひととのつながりを起点とした具体的なイノベーションや社会課題解決の試みを生み出し発展させていくこと、そして、その文化や知識を共有していくことこそ重要なのではと思い至り、新たな試みをしたくETIC.に参画しました。1年半の学習や適応期間を経て、現時点での考えを棚卸した「超生煮え」のプロジェクトを提案してみることにしました。

ジェネラリストとして生きてきたからこそ、「想い」を戦略的・ビジネス的に形にするには皆さんのプロフェッショナルな知見とスキルが必要です。一緒に社会を良くする「企み」を形にし、ワクワクしながら社会実験できる未来を、一緒に創っていきたいです!

事務局からのコメント

ソーシャルセクターで課題解決へ向けたアプローチに取り組んでいると、ビジネスやアカデミアの領域が、いかに先人達の知恵と経験により成熟したモデル・仕組みへ磨かれてきたものかを感じる瞬間がたくさんあります。
「よりよい社会」へ向けた共創についても、先人の経験からの学びを可視化し、もっと効果的に取り組めるはずだという問題意識が今回のプロジェクトです。
そんな取り組みにワクワクする方、是非一緒にアドレナリンを爆発させましょう!

法人概要

所在地: 東京都渋谷区東1-1-36キタ・ビルディング402
従業員数:
売上・予算規模:
事業内容:

募集概要

報酬プラン A:プロボノ(無報酬)、6時間/週
B:プロボノ(無報酬)、2日(16時間)/週
採用予定人数 3名程度
こんな人に来てほしい!

(※必須ではありません、想いへの共感重視です!)
・新規事業の立ち上げや、複雑な概念の言語化・構造化に興味がある方
・分厚い文章を読みやすく編集したり、PowerPoint等で図解・デザインするのが得意な方
・現場へのヒアリングを通じたケーススタディ作成や、海外文献のリサーチに抵抗がない方

個別説明会
  • 1回目:2026/04/24(金) 19:00-20:00
  • 2回目:2026/04/26(日) 18:00-19:00
  • 3回目:2026/05/13(水) 19:00-20:00
オンライン面談候補日
  • 1回目:2026/05/17(日) 12:00-18:00
  • 2回目:2026/05/20(水) 19:00-22:00
  • 3回目:2026/05/23(土) 12:00-18:00
キックオフMTG候補日
  • 1回目:2026/07/04(土) 13:00-16:00

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