全国の児童養護施設の中学生高校生へ。 会社見学や仕事体験を通じた「キャリア教育」の機会を提供したい企業の開拓

児童養護施設で生活をしている中学生や高校生に、会社見学や仕事体験等のキャリア教育の機会提供を行うことで、高卒時の新卒就職や進学先選定におけるミスマッチを緩和し、ワーキングプア状態への移行を未然に防ぎたい。そのためには協力企業の存在が必要不可欠で、そうした企業は中小企業を中心に日本全国に沢山存在するはずです。そうした企業を効率よく発掘し、WEBサイト（https://fspartner.org/）上で可視化し、各児童養護施設へ情報提供したいと考えています。

家庭環境の問題により、親を頼ることなく18歳程度の年齢で自立をし、1人暮らしをしながら就職・進学をする児童養護施設の出身者達の多くが、若くしてワーキングプアとなっている現状があります。少子化、労働人口減少を余儀なくされている現代の日本において、貴重な若者が上手く社会参画できていないことは緊急性の高い社会課題です。この課題の背景には頼れる親がいないだけでなく、中学生高校生時代のキャリア教育の不足から、就職・進学においてミスマッチが多発し、離職や中退を機に非正規雇用で生活を維持する環境に移行、その現状から自力で抜け出せないという課題構造が存在します。この課題を解決すべく、企業が地域の子ども若者の育成に関われるネットワーク作りに挑戦しています。

課題解決のためには、児童養護施設入所中の中学生高校生達がキャリア教育の機会に恵まれる文化を創り出すことが肝要です。そのためには協力企業の存在が沢山必要で、各地域ごとに児童養護施設と企業とが交流できるようになることが大事です。ただ、当団体は人的リソースが少なく（営業担当職員が代表理事含めて3人しかいない現状）全国の企業を効率よく開拓するには「良い策」が必要です。2020年に某大手証券会社からサポートを受け、各支店長が所属しているロータリークラブの例会において当団体の活動をプレゼンできる機会が増え、企業開拓のスピードが上がりました。ただ、このように多くの経営者が集まる場でプレゼンのご機会をいただくだけでなく、多くの実社会人の方が、自身と交流があるおススメの企業を日常的に当団体へご紹介いただけるようなネットワークができると、さらにスピード感が高まると考えています。協力企業の質を担保する上でも「紹介」という仕組みは貴重で、こうした「輪」を作りたいと願っています。

プロジェクトメンバーの皆様からのご紹介等により、3か月の期間において当団体が新規で関係性を作れた協力企業が20社以上。
（裏目標：上記企業から当団体が受けた寄付会費金額50万円以上）
上記WEBサイトフェアスタートパートナーhttps://fspartner.org/の掲載企業、2024年3月末までに300社、2030年3月末までに1000社の掲載が実現可能な手ごたえを感じられている状態を目指します。
（2023年4月現在、掲載企業数約180社）

日本全国に約600ある児童養護施設が地域の協力企業とつながり、入所児童に十分なキャリア教育を提供できている状態。その結果、施設出身者達の就職後1年以内離職率約50％、進学後中退率約20％というスコアが大幅に改善し、施設出身者達の大半が自身の納得する形で社会参画できていて、ワーキングプアとは無縁となっている状態を目指します。

2010年から児童養護施設等の子どもたち・若者達への就労支援を開始し、2013年1月にNPO法人化。現在11期目です。
これまで、関東圏約200施設を中心に、約700人の子どもたち若者達の就職相談に対応し、500人以上に会社見学や仕事体験等のキャリア教育の機会提供を行ってきました。現在、代表理事以外に、営業渉外担当職員2名、事務局2名、営業渉外アシスタント職員1名、計6名で活動を行っています。就労支援に特化して児童養護施設等の子どもたち若者達への支援を行っているNPOは日本の中でほぼ存在せず、レアな団体であると自負しています。
「どんな環境で育っても、全ての若者達が自分らしい『はたらく』を実現できる社会へ」を団体理念とし、施設出身者達が様々な学びや経験を糧とし、健全な自己決定のもと社会に巣立てるよう応援しています。